子宮頸がんは20代30代の女性に多い若い世代のがんです。
年間約3５00人の人が死にいたっています。
2010年9月より2価の子宮頸がんワクチンの接種が始まっています。
このたび　4価ワクチンが承認され接種が始まりました。
子宮頸がんは高リスク型ヒトパピローマウイルス（HPV）の感染によって引き起こされる病気です。
ほとんどすべての女性が一生のうち一回はHPV感染を経験しています。高リスクHPVの感染が長引くと子宮頚部の細胞に異常が起こり発がんにつながっていきます。
高リスク型HPVは１５種類あります。　その中でも16型と18型HPVが原因であることが多いため、
この二つのHPVに対して抗体を作る2価のワクチンが先に承認されすでに接種が始まっていました。４価ワクチンは2価ワクチンに加え　6型と11型HPVに対しても予防ができるワクチンです。
6型と11型はがんを発症するHPVではなく　尖圭コンジローマの原因となるウイルスです。
尖圭コンジローマとは　肛門や性器や膣の中にできる両性のイボでパートナーにも感染し、治療しても再発しやすい性病のひとつです。
子宮頸がん予防という目的では2価と4価では同じ効果が得られます。
（当クリニックでは　接種料金も同じです。念のため）
尖圭コンジローマ予防の付加価値があるという違いだと考えていただければ良いと思います。
最後に　必ず確認しておきたいことがあります。
ワクチンを受けたから　１００％子宮頸がんにならないわけではありません。
16型と18型以外のHPVによる発症もありえるわけで。20歳になったら必ず婦人科検診を受けましょう。
実際は20歳より前にパートナーができた方はその年から　婦人科検診を受けていただきたいのです。
大阪市の公費負担でワクチンを受けられる13歳から16歳の方にも9月15日以降は4価のワクチ
ンも適応になります。

＊ 注)現段階では公費負担のワクチンは9月30日までが適応となっており　10月1日からについてはまだ未定です。とてもすばらしい　事業です。適応の方は必ずお受けになってください。

公費での接種ができる年齢のかたは、
早く接種されることをお勧めします。